今年は、DREAMS COME TRUE デビュー35 周年と「DREAMS COME TRUE 35th Anniversary ウラワン 2024/2025」(通称ウラワン)が重なるミラクルイヤー。すっかりおなじみとなった体感型イヴェント「ドリカムディスコ2024」など様々な活動を展開していくなか、なんと⾔ってもその中⼼となるのは9⽉から来年にかけて⾏われるウラワンであることは間違いない。
ドリカムのミラクルイヤーと聞いて、すぐに思い出されるのは2019年だ。そこで我々はデビュー30周年と「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2019」が重なる幸運を⽬の当たりにした。次に周年とワンダーランドが重なるのは2039 年(デビュー50周年と13回⽬のワンダーランド)であり、まるで天体の動きを観察するかのように意識はすっかりそっちに⾏っていた。けれどウラワンだ。その事実に気づいたとき、なんだろう――必要なものが全て揃った感覚とでも⾔おうか、きちんと地⾯に⾜をつけて⽴っているという⼼地よい重⼒のようなものを感じた。⾔うなれば、ワンダーランドは天空で、ウラワンは⼤地なのだ。
2019年の翌年、普通ならウラワンが開催されていたはずだった。しかし、2020年の初頭から世界は普通ではないフェーズへと突⼊していった。そう、コロナウイルスによるパンデミックだ。2019 年のワンダーランドと対をなすウラワンはアナウンスされることなく中⽌を余儀なくされた。
というストーリーのうえに今回のウラワンを考えれば、思わず「倍返し」という⾔葉を⼼のなかでつぶやいてしまうほどに、むしろファンの⼈たちの⽅こそ気合が⼊るというものだ。それに、世間ではすっかりアフターコロナというか、⽇常が戻ってきたのを実感する⽇々ももはや当たり前すぎて何も感じないほどではあるが、ことベイビーズ(ドリカムファンの愛称)に⾄っては、今年のウラワンを体感してようやくドリな毎⽇が戻ってくる。
それでは今年のウラワンがどのようなものになるのか――。それは本番までのお楽しみだ。ただ、ウラワンがその前年に開催されたワンダーランドと対をなすものであるということを考えれば、今回のウラワンは相当ディープなものになるのではないかと推測する。その根拠として、昨年のワンダーランドのセットリストがファン投票をもとにしたベスト・オブ・ベスト的なメガヒット曲を惜しみなくつぎ込んだものだったからだ。ただでさえ、レア楽曲を披露するというコンセプトのあるウラワン。そのさらに奥にある世界を体感できるのではないだろうか。
DREAMS COME TRUE の⾳楽の原⾵景ともいうべき⼤地――そこに⾜を踏み⼊れたときに感じるものを今から想像するだけでワクワクする。
⽂/⾕岡正浩